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【イケメン王宮ゼノプリ】真夜中の秘めごと

短編小説
その他
二次創作
2015年12月14日 21:39 公開
1ページ(2983文字)
完結 | しおり数 0

イケメン王宮真夜中のシンデレラのゼノ様とプリちゃんの話です。

koike-maya

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お久しぶりです。前作閲覧、好きなどありがとうございました。
こちらも楽しんで頂ければ嬉しいです。
主人公の姫の名前はユキです。
素敵過ぎる表紙はキタリュ様からお借りしてます。ありがとうございます> <

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月が浮かぶある夜のこと。


ふわふわのベッドに着心地の良いネグリジェに身を包み横になっていた。
いつもならすぐ眠りにつくのだが、今日はなんだか落ち着かない。何度も寝返りを打ち、その度に扉に目をやる。
数日前、ゼノ様の正式な婚約者として有能な執事のユーリと共にシュタイン城に滞在することになった。

『今夜はお前を迎えに行く。
悪いが寝かせるつもりはないからな』

朝、ゼノ様と食事を共にした後、去り際に私の耳元でつぶやきを残して。

(それって・・・そういう意味だよね)

思い出すだけで、恥ずかしくなって熱くなる。思わず頬を抑えた。

こちらに来てからは婚礼の準備もあり、ゼノ様は今まで以上に執務に追われゼノ様とはほとんど会話らしい会話は朝の挨拶しかしてない。

どんなに疲れていても朝食は一緒にとってくださる。
わずかな時間でも二人っきりで過ごせるのはとても幸せだが、体も心配になる。
以前も無理をして倒れてしまっていた。弱さをけして他人には見せないから。

(何か力になりたい)

ふと壁にかかった時計に目をやった。

時計の針は重なり合う寸前。

私は起き上がりうなずくとあることを思いつき、羽織ものを肩にかけると部屋を後にした。




数分後、私はあるものを手にゼノ様の執務室の前に来ていた。
ゴクリと息を飲む。ばくばくと心臓が早鐘を打っていた。

(少し様子を見るだけだし、すぐ帰ろう)

ドアを軽く叩いた。
「ゼノ様、ユキです」
返事はない。ドアの隙間からは明かりがこぼれている。いることは間違いないのだが。
私は首を捻りつつも、ドアに手をかけた。

中に入るとよく知った顔、ゼノ様の側近でもある二人、そしてーーー。

二人は私を認めると困ったように微笑み、唇に人差し指を当てた。

「俺たちも実はさっき様子を見に来てたんだ」
「お疲れなのだろう」
「このところ、朝から晩までスケジュールぎっしりだったからね。俺達も、そろそろ休まれては?と言おうとしたところだったんだ」
「そう・・・」

目の前にはペンを握りながらも静かに目を閉じているゼノ様と、そして傍にはペットのスピネルが寄り添う、守るように控えていた。
ゼノ様が心から信頼している存在。
何があっても大丈夫と思えるほどの。


「じゃあ、ユキ様。後はよろしくね」
「え?」
「はあ?お前、何言って」
「ほらいいからいくよ。アル。ゼノ様には休んで欲しいんでしょ」
「そうだが」
「では、ユキ様、ゼノ様。おやすみなさい。素敵な夜を」
ユーリは片目を閉じ、人懐っこい笑みを浮かべ、半ば強引にアルバートを連れて部屋を後にした。

私は二人きりにしてくれたことを内心感謝し、ゆっくりと足音を立てないようにゼノ様の側に近寄った。
スピネルがちょんと私の肩に飛びのり、グリグリと甘えるように頭を摺り寄せる。
羽毛がくすぐったい。

眠っている彼はまるで一枚の絵でも切り取ったかのように、美しい。
目が反らせない。逸らすことなんて出来ない。
(眼帯も・・・外したい)
眼帯に手を伸ばし、寸前で引っ込めた。

『お前ならいい。外せ』

と言われたこともあった。
が、なんだが寝込みを襲うみたいでなんか嫌だった。
起きて、双方の瞳で自分に向ける眼差しが一番好きだった。
一点の曇りもない、黒曜石のような目で。
自分だけに許された、彼が心を分けてくれた証。

私は机の上に持ってきたトレーを置き、近くにあった椅子に腰かけ、しばらく時を忘れ見つめていた。


どれくらいそうしていただろうか。

(どうしよう)
迷っていた。

こんな風に誰かの前で気を許すことなどはなかなかないだろう。

官僚達に見られたらなんと言われるかわからない。どんな隙、弱みも見せられない。常に王としての威厳を求められる。
だが、彼も国王である前に、一人の人間だ。
民からは恐れられ、思わず膝をついて忠誠を誓いたくなる、絶対的な存在。

はじめて会った時から、ユーリとアルバートには心を許していた。彼にとっては臣下であると共に、まるで兄弟のような存在なのだろう。
話している時の表情がまるで違う。本人は気づいているのかはわからないが。
それに気づいた時、よかったと安堵したと同時に、ほんのちょっとだけ・・・悔しかった。
だが、今は自分も同じくらいの存在でいられることが嬉しかった。

今はゆっくり休ませなきゃ。
だが、まだ離れたくない。この人の側にいたい。

感情がせめぎ合い胸を抑える。

私は散々悩んだ挙句、彼に自分の羽織ものをかけた。だいぶ朝晩と冷え込むようになった。
トレーには紅茶と簡単につまめるものを用意して。



「おやすみなさい、ゼノ様。どうか夢では会えますように」
私はそっと頬に口づけをした。
いつもなら絶対に出来ないのだが、今日くらいは。

私は脱兎の如く部屋を飛び出した。
扉を閉めた瞬間、ずるずると腰が抜けたようにしゃがみこんだ。頬が熱い。心臓がうるさいくらい高鳴り、痛い。咄嗟とは言え、自分からキスするなんて。

(明日・・・ゼノ様の顔、まともにみられないよ。変に思われてないよね。う、うん。べ、別にキスくらい。普通だよね。
だって私達は婚約者・・・だし)

私はますます顔が赤くなるのがわかった。冷たくて、柔らかい感触。
(何思い出してるの。意識し過ぎだよ)
ぺしぺしと頬を叩き、そのまま足を立てず、部屋に戻った。

夜には誘惑の魔物が潜んでいる。

誰かにそんなことを聞いたことをふと思い出して。
空には月と共に散りばめたような星が無数に瞬いていた。




一方その頃。

ユキが足早に部屋を飛び出し、扉が完全に閉まると、ゼノはゆっくりと目を開けた。
ほんの一刻ーーーの休息のつもりだった。
ユーリとアルバートはともかく、今夜彼女までここに来るとは考えていなかった。
予告通り、自分から行くつもりでいた。
声をかけるタイミングを完全に逃していた。
頬に手を当てると先ほど彼女の残した熱がまだ残っていた。愛おしむように撫で、いつの間にか自分でも気づかない微笑みを浮かべていた。
用意されたカップを手に取り、口に含んだ。紅茶の爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。並べてあるクッキーに手を伸ばした。
「美味いな」
紅茶に映された月がいつもより美しく見えた。


おまけ

ゼノはカップを置き、小さく嘆息すると、ドアの外に声をかけた。

「いつまでそこにいるんだ」

「あ、バレちゃいました?」
「全く。お前は気配を消すのが下手なんだ」
「アルだって、聞き耳立ててくせに、顔真っ赤にして」
「な、そんなことしてない。私はただゼノ様が心配なだけで。こほん、臣下としては先に休むなんて出来ないからな」
「じゃあ、何?まさかゼノ様達が寝室に行くまで見届けるつもりだったの?」
「そんなことは言ってないだろう。まあ、場合によっては必要かもしれないが。あ、あくまで護衛としてだからな」
「アル、顔赤いよ」
「赤くない、ユーリ大体お前は・・・」
人目を気にせず、いつものように騒ぐ二人にゼノは口元を緩め淡く微笑んでいた。自分でも気づかないくらいに。
静かな夜だと思ったが、こんな夜もたまには悪くないと思った。


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