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チョコの王子様と愛しの姫君。

短編小説
恋愛
オリジナル
2016年01月25日 01:34 公開
1ページ(2249文字)
完結 | しおり数 0


自信に溢れた青年とアタックされている女性

垢作り直します。

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何度断ってもアタックしてくる保志さんにやれやれな様子の空さん…。どうやら相手はバレンタインにチョコを作ってくれるらしい。
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「我が愛しの花嫁、是非俺に愛の印を今年こそ頂けないだろうか。」
「保志さん。毎年お断りしていますが、バレンタインチョコは用意していないのです。それにいつ貴方の花嫁になったんですか私は……と、これで七回目のお返事ですね。」

 チャイムが鳴り、杖で体を支えながら玄関へ行きドアを開けるとそこには保志 清(ほし きよし)がカッコつけたようなポーズをとりながら立っていた。服装はいつも黒いスーツに変な猫の帽子を被っている。河島 空(かわしま そら)は引きつった笑みで彼を見上げている。
「シャイだねキミは、クリスマスお家デートの誘いの時も恥ずかしくて断ってしまったよね。あぁわかっているさ、俺みたいなクールビューティーな男が隣に居たら、…照れるのだろう?」
 笑みを浮かべながらまた変なポーズ(自分はカッコ良いと思っているらしい)をとり喋る。
「別にシャイでもないしそんな理由でクリスマスお家デートのお誘いも断った訳ではありません。でも恥ずかしいのだけは合ってます。貴方みたいな存在自体がカッコ悪い人間と一緒に共にするなんてこの世の何よりもな罰ゲームですよ。」
「ところでチョコなんだけれど」
「コミュニケーション、コミュニケーション、会話のキャッチボールを、プリーズ」
「俺は何故毎年キミからチョコが貰えないのか考えていたんだ。…もしかしてキミ、…あげるより貰われる側が良いんじゃないのかな?」
「は?」
「愛する花婿からチョコが貰いたい! そう考えているんじゃないかと、そう思ったんだよ!」
「いや別に、」
「だから! 俺は今からスーパーへ行きチョコやケーキの材料を買いに行ってくる! そしてキミの家のキッチンで、……チョコケーキを作ろう。」
「チョコケーキの材料も買わなくて良いしそのまま家帰れ!」
 会話にならない。一方的に彼は笑みを浮かべたままチョコあげる宣言をしダッシュでスーパーへ向かった。
 空は溜め息をつきドアを閉め、杖で体を支えながら歩く。

(キッチンを少し綺麗にしておこう)


***

 やはり何十分かして彼はチャイムを鳴らしやって来た。嫌々ながらも家に上がらせてしまうのは空の彼への惚れた弱味だろう。
 昔から体が弱く、歩くのもすぐに疲れてしまう。いつ何が起こるかわからない。もしかすると急病で病院に運ばれ余命何ヵ月~とか言われるかもしれない。好きな相手に悲しい思いなどさせたくはない。ならば思い出など作らなければ良い…付き合わなければ良い……告白を受け入れなければ良い。

(でも…今日だけは…良いよね。)

 キッチンでチョコレートを溶かしている彼の背中を見ながら笑みを浮かべる。よく見ると彼の体は逞しい。いつも黒いスーツに変な猫の帽子というおかしな格好をしていて目立ち過ぎてそこばかり意識してしまうが、(白いスーツの時もある。)彼の体は意外にもしっかりしている。鍛えているのだろう、腕も男らしく太い。
 そこそこ逞しい体の男性がチョコレートケーキ作りだなんて、なんだか見ていて面白かった。
 溶かしているチョコレートの甘い香りがふんわりと漂う、甘い香りは鼻を通り、脳を少しクラクラさせた。なんだか眠くなって来て…いつの間にか空は眠ってしまっていた。


 ──夢の中で空は空中を飛んでいた。空が空を飛ぶ…って面白い響きだがそんな事はどうでも良い。
 背中には白い羽が生えていた。パタパタと自由に飛んでいたが、パッ…と羽が突然消えてしまった!
 ヒュルルルルっと落下していく。
「うわぁあぁあぁぁっ!!!」
 トポン…!
 空が落ちた所は巨大なボウルの中に入ったとろけているチョコレート…。
「わっ…どうしよ服がチョコだらけ!」
 しかしその時、チョコで濡れた場所が金色に光った。眩しくて思わず両手で顔を隠した。
「な、何…?!」

 光が消えて目を開けると…自分の服装がチョコレートを意識した茶色と白とピンクのロングドレスになった。まるでお姫様のような…そんなドレス。
「え!?」
 ボウルの中に入っていたはずなのに、場所も何故か巨大なビスケットの床の上。
 この状況に驚いて居ると、遠くからパカリパカリと馬が走ってくる音が聞こえてくる。音のする方向を見ると、馬に乗った何者かがやって来て、馬から降り目の前に来た。

「やっと探したぜ、俺の姫君。」
 清だった。清も茶色と白とピンクというチョコレートを意識したような色の王子の服を着ていた。

「踊ろう。」

 空の手を取り踊り出した。


***

 パチリと目を開けると、目の前には清の眠った顔があった。どうやら膝枕をしてもらっていたらしい…空の頭は清の膝の上だった。
「え?!」
「……ん、」
 驚きで声をあげてしまい、清を起こしてしまったらしい。清の目がゆっくり開かれる。
「起きたか…」
「うん…なんかごめんね。膝枕させてもらったり、起こしちゃったり…」
「いや、良い…………ん?! あ!!!」
 空をゆっくり退かし、清は慌てた様子でキッチンへ走って行った。
 数分後、申し訳なさそうに少し焦げた匂いをさせたチョコケーキを持って来た。

「ごめんな……味は問題ないし腹は壊さないと思うが……流石に失敗作を捧げる訳には…あっ!」
「…美味しいじゃん。」
 チョコケーキの皿の上に置いてあったフォークでケーキを一口食べて味見。


「私はこれが頂きたいな。」

 嬉しそうに空は笑みを浮かべた。


 ──end

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