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唇の魔法

短編小説
恋愛
オリジナル
2016年02月21日 15:06 公開
1ページ(849文字)
完結 | しおり数 0


もも

表紙提供:by Exact
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「ハツコイソウ」の番外編です。
雪ちゃんと愛音さんのお話。二人が出会って、一緒に暮らし始めたばかりの頃のお話になります。
二人がどうして一緒に暮らしているのかなど、そんな疑問は多分ちょっとずつ明かされていく、予定。

恋愛に分類しましたけど、恋愛ではないなあ…。
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雪ちゃん、と呼ばれる。
この私の名前を呼ぶときの柔らかいテノールが私は好きだ。




振り返って、目を瞬かせる。
加えて首を傾げると、そこにいた若い男の人が微笑んだ。優しいそれだけれど、ほんの少し、苦笑いの要素を含めたものだ。




この人は、私の保護者、で、私の家族なのだと、話していた。




おなか空かない?と言ってソファに座る私の隣に座る。
微笑んでいるこの男の人は、まなとさん、といって、愛と、音、その二文字で、まなと、と読むのだと話してくれた。




返事の代わりに、私のおなかが小さく音を立てる。
鳴ってしまったおなかを押さえて、俯いた。
恥ずかしい。赤くなる私を笑うこともしないで、まなとさんは私の頭を撫でた。
顔を上げると、まなとさんは微笑んでいた。




「じゃあ、お昼御飯にしようか」




ちょっと待ってね、と言って立ち上がったまなとさんの服を掴んだ。
驚いたみたいな顔で振り返ったまなとさんは微笑んで、私の目の前にしゃがみ込んだ。




こうして、いつも私の言葉を待ってくれる。
私は私をじっと見つめる優しい目がどうしても恥ずかしくて、目をうろうろとあちこちに動かした。




「…お手伝い、しても、いいですか」




きょとんと、まなとさんの目が瞬いている。
それから微笑んで、いいよ、と言われる。大きな手で私の手を握って、そのまま連れられる様にして立ち上がった。




「何作ろっか」

「…オムライス」




お父さんが、おいしい、って言ってくれたものだから。




まなとさんは、僕の好きなものだ、と言って笑っていた。
私に気を遣っての言葉なのか、本心からなのかは、分からなかった。
だけど、優しい人だとは、思った、から。




温かい、大きな手。
柔らかいテノールの、声。
私の大好きな、笑顔。




貴方のくれる言葉の全てが、私にとっては、優しい魔法なの。





それは、もう、今から何年も前の話だ。








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