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アロワナ通信

短編小説
純文学
オリジナル
2017年02月19日 10:38 公開
1ページ(782文字)
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ふしきの

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目に写るのは青色の海の色。
街はもっと人も路面も複雑すぎて混沌としていると思っていた。
モノレールが海に沿って走る。
私が海が好きだと知っているのだろうか。
「アロワナが見たい」
と言えば、手を引いてくれて、ビル屋上の水族館へ連れていってくれた。
「あ、っと思った瞬間」もう離れた手を引いてくれ、入場ゲートへ先導してくれた。
あなたはブルーとオレンジの二人分のチケットを出してくれた。
まごつく私に「いいんですよ」と、微笑む。『行きましょうか』と。
私は微笑み返す。
人は最初に認識するものは赤だと言われているそうだ。青色は最後。警戒の色だと。だのに赤信号はとまれ。青色は動くことができるだ。

だけれども私は海が好きで、プールの青が好きだった。
温かみのある室内プールも好きだけど、やはり海水浴場の遠浅から極端に冷たくなる境界線を行ったり来たりするのが好きだった。
「気圧の低い深海魚」
誰もいない光の届かない重たく暗い世界は孤独だと。その、展望窓に冷気が感じるほど寒いよって。私は無言で手を強く握った。
蟹の脱皮、通年チケット。世界の水族館巡り。
「海月飼っていたことあった」
「お盆を越えると海にクラゲの繁殖が半端ない!」
と、二人の思い出が言葉に交わされ出る。
ほとんど辛い思い出なのにいい思い出もたぶんこの人はあるよと言ってくださるだろう。

とてもとても寒い日だった。だけど街の空気は澄んでいるし、人は若くて生き生きしていた。坂道の多い、街まるごとでっかい観光地。

私たちは魚になる。
くるくると泳ぐ魚になる。
あの仲の良い丸々としたアザラシのように。
いたずらっ子の目で。
微笑み笑いあう。

私はもうその日から海のなかで泣く夢も見ない。
海のなかの貝殻に籠る夢も見ない。
今日も遠くを見つめていた。
海は見えないけれど、あの日見た色と同じ青い空。

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