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長清わんどろ 診断メーカーのお題からその1

短編小説
恋愛
BL 二次創作
2017年03月18日 23:04 公開
1ページ(3052文字)
完結 | しおり数 0


ららん

表紙提供:by neco
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お題:長清の新刊は『 私は頭がどうかしてしまったんだろうか。この男がどうしようもなく可愛く見える。 』から始まります。
https://shindanmaker.com/685954
===========================
あんまり当てはまってない。けどがんばってわんどろした。

※そして最近知った、文章はわんらいって言うんだね…そうだよね、だってwriteであってdrawじゃないもんね。まぁたやらかしてるけどこのままいきます。
フォント
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行間:--%
おれは頭がどうかしてしまったんだろうか。
この男がどうしようもなく可愛く見える。



「はー、つっかれたぁ」

ヒュッと軽く空を切って、薄くこびりついた黒い血を払う。
あれだけの数を斬り捨てたというのに刀身はさほど汚れておらず、いっそ見事なほど輝いていた。

「まだ終わっていないぞ」
「わかってるよ」

山姥切の低く抑えた声に、不機嫌を隠さず刀を再度構え直す。今視界に入る中に敵はいないが、この嗅ぎなれた臭いは残存部隊がいることを如実に示していた。

「…あの木の陰…?」

鯰尾が視線で指した正面の辺りから、ゆらりと黒い炎のようなものが立ち上る。それを見て明石ががしがしと頭を掻いた。

「しゃーないなぁ、ほな自分が行きまひょか」
「待ってください、僕もお供します」
「ん、頼むで」

明石と平野がゆっくりと近づく。あと少しで突撃できるというところで、舌打ちをした清光が右手側に走り出した。その気配に慌てて後ろを追う。

「清光さん!?」
「そっちは囮だ鯰尾!遠投に気を付けろよ!」

清光が怒鳴ったと同時に明石達の方から2体、清光が走って向かう方から4体姿を現した。直後きらりと光った矢じりはまっすぐ清光に向かって飛んできている。

「屈め清光!!」

盾兵は間に合わない。羽織を半分脱いで清光の上で打ち振るとおおよそが除けられたようだ。敵のほうがグルルと悔しそうに唸る。

「おいしいとこどりするよね、長曽祢さん」

何本も矢の刺さった羽織がなびくその下で、屈んだ時に頭を庇ったその姿勢のままこちらを見上げてニヤリと笑う清光。


戦場には似つかわしくない、悪戯がバレた時のような、無邪気な笑み。
ドキリとして一時、ここがどこであるかを忘れた。


清光が笑ったのは一瞬で、敵の方へ駆け出した清光の一閃で敵太刀が倒れた。
我に返っておれも向かおうとすれば、ぐっと腕を引かれて前に進めなかった。誰だ、と振り返ると山姥切が厳しい顔で立っている。

「待て長曽祢、刀装も服もないまま突っ込むな」
「鯰尾は?」
「明石の方だ」

山姥切は短く答え、大太刀めがけて走る。言われて左後ろを向けば、明石が1体、平野と鯰尾が1体を倒し終えるところ。あいつらなら大丈夫と踏んで、山姥切もこちらに来たらしい。

「清光!」

山姥切の短い叫びに視線を戻せば、敵太刀に弾かれた清光がこちらに飛んできた。受け止めようかと思ったが、受け身をとる気であるのが分かって敢えて手は出さなかった。
派手な音をたてて足元の砂を巻き上げながらだが、転がりもせず踏みとどまる清光はそれでも敵から目を離さない。平時でも鋭い目を釣り上げて全身で相手を威嚇していた。

「あぁもう、力技で押し切ろうっていう魂胆が腹立つ!」
「おい、それはおれへの嫌味か」
「さぁてね。悔しかったら1体くらい倒してきなよ」
「言われずとも」

山姥切も多少押されてはいたが、まだ余裕が見える。ならばとおれが標的にしたのは敵打刀。活躍の機会を敵太刀にとられているからなのか、動きが落ち着かないのが見てとれる。清光もおれと同じ感想を持ったようで、ふんと鼻で笑った。

「ああいうの、逆上されたらめんどくさそー」
「だな。お前こそ押し切られるなよ」
「二度目はないからね…っと!」

おれと清光が同時に走り出す。敵太刀はおれなど眼中にないようだが、敵打刀のほうはおれと清光のどちらを狙うべきか迷ったようだ。
戦場での迷いは命取りと、おそらく知っていただろうに。
俺の上背を盾にして、敵の視界から消えた清光に完全に動揺した敵打刀は、構えた姿勢そのままで振りかぶられたおれの刀を見上げていた。


作戦は悪くなかったのに、連携がマズかったな。重い手ごたえを感じながらもあっけなさに拍子抜けして、そのまま敵大太刀に向かう。卑怯な手だとは思うがこれ以上時間をかけても疲弊するだけだ。

切り捨てる音が二つ、同時に聞こえた。





「もーーー働くのは嫌や。終わりでよろしいやろ?」
「そうだな、帰還するか」
「……すみません皆さん、僕が読み違えたせいで」

顔を上げない鯰尾の尻を、清光が溜息を吐いた後に思いっきりはたき上げた。

「ぴゃっ!?」
「何その変な声」

くっくっと喉奥で笑う清光につられ、皆が笑顔になる。

「囮だったとはいえ、俺たちがうっかり背を向ける前に気付いたのは鯰尾でしょ。おかげでだーれも怪我してないじゃん」
「そうですよ鯰尾兄様、兄様が責任を感じる必要はありません」

平野と鯰尾が顔を見合わせて少しだけきまり悪そうに笑った。その二人を見守る清光はまた、戦場とは思えぬほど柔らかい表情をしていて。


おれは頭がどうかしてしまったんだろうか。
この男がどうしようもなく可愛く見える。


ふとおれの視線に気づいたのか、清光がおれの目を見て今度はニヤニヤと揶揄いの視線を投げてくる。

「なーに、長曽祢さん?」
「…っいや、何でもない」

清光はそんなごまかしで引き下がる男ではない。うっかりと自分の頭に浮かんだ言葉が後ろめたいせいで、清光の追及から逃れようと矢がささったまま羽織をぐるぐると巻き上げていたら、山姥切に止められた。

「せめて矢は抜け。歌仙や堀川が目をひん剥いて怒鳴り散らすぞ」
「そう、だな」
「なーぁー、もう帰りましょうやー、早よ寝たいんですわー」

なかなか帰ろうとしない他の部隊員に焦れた明石が、聞き分けのない子供のようにダダをこねる。平野がそれをなだめながらようやく帰途についた。





自室に戻ってからも、清光の表情がこびりついて離れない。

常に身綺麗にしている奴のことだ、これまでも戦場でも浮いて見えるほどには綺麗ではあったが、それでも男らしい怜悧な勇ましさは忘れていなかった。
だから綺麗だと思ったことはあっても、「可愛い」などと思ったことはなかったのに。

いや、おそらくおれも連戦で疲れていたから、なんとなくそう見えただけのことだ。そうに違いない。
無理矢理自分の中で落とし前をつけて腰を下ろしかけた時だった。

「長曽祢さーん、いる?」

障子の向こうから聞こえた大声に、誇張でなく飛び上がった。

「あ、あぁ」

訪いを告げた声とはうってかわって、遠慮がちに薄く開かれた障子と、そこからちらりと覗く顔。目が合って、ちょうど身体が通るくらいに障子が開いた。

「手入れ部屋空いてるけど、使わないの?」
「ああ、怪我はしていない」
「羽織は?」
「……歌仙と堀川に渡して逃げてきた」

そのときの二人の叫び声を思い出したのか、肩を揺らして笑う。
ここは戦場ではないのだから緊張感はなくて当たり前なのだが、それにしてもなんと無防備に、無邪気に笑うのか。
いや、これまでも同じように笑っていたか?あぁ、本当に思い出せない。

「なぁんだ、さっきの声はそういうことか」
「当分は内番着で出陣になりそうだ」
「しょうがないな、俺も二人に謝っとくよ」
「なんでだ?」

おれの問いに一瞬目を見開いたあと、またさっきと同じように、ほんの少し眉を下げて柔らかく微笑んだ。

「俺のこと、助けてくれたでしょ?だーかーら、今度は俺の番、ってね」



おれは頭がどうかしてしまったらしい。
目の前にいるこの男がどうしようもなく可愛く見えるだけでなく、綺麗で、勇ましくて強くて、どうしようもなく愛おしい存在に、見えてきた。

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