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乱さにわんどろ1

短編小説
恋愛
BL 二次創作
2017年04月19日 12:15 公開
1ページ(2342文字)
完結 | しおり数 0


ららん

表紙提供:by neco
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可愛い見た目して実はヤる、っていうのを書きたかっただけ。
オスな乱ちゃんが大好きです。
このさにわくんはまだまだ青い、優等生っぽい中学生のイメージかなぁ。初恋とかだったら可愛い。
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「あーるーじーさんっ、今忙しい?」
「いえ、あと少しで終わりです。少し待ってください」
「はーい」

すぐにずり落ちる眼鏡を押し上げ、使い慣れない筆と墨と格闘する。乱は僕の部屋に入ってきて、文机のすぐ横に座った。
ふわりとお日様と花の香りがする。

「ふぅ」

最後の一文字を書き終え、一息つく。首をこき、こきと傾ければ一度だけ大きくぼきりと音がした。

「凝ってるねー」
「はは…」

乱にも聞こえるほどだったかと照れ笑いをすると、乱はすぐに表情をひきしめて僕の顔をじっと見る。
男だとは分かっているのだけれど、どうしても一瞬ドギマギはしてしまう。
女の子だってこんなに可愛い子は知らない。

「ねぇあるじさん」
「は、はい!」
「運動しよっか」
「は、はい。えっ?」

満面の笑みで誘われ、うっかり是と返事をしてしまったばっかりに、ぐいぐいと腕を引っ張られて道場に連れていかれる。
ちょうど愛染と秋田が手合わせをしていて、やはり錬度が上の愛染が秋田を押しこんでいた。
審判は僕の初期刀の陸奥守。愛染の鋭い一突きで秋田ががらんと木刀を落としたところで、陸奥守がさっと右腕を挙げた。

「勝負あり!じゃな」
「へっへーん!」
「うー悔しいです、でも、楽しいっ!!」

秋田を横目で見ながら、乱がいつもは下ろしている長い髪を無造作に紐でまとめて、きゅっとてっぺんでちょうちょ結びを作った。

「さ、あるじさん、いくよ」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「お、乱、主相手に本気でいくんか??」
「やるよー」

ぽいっと投げてきた木刀を必死に掴む。何の心得もなくて、どう構えたらいいのかすら分からないのにどうしろと。
見よう見まねで、震える両手で構えると、乱は短刀らしく逆手に持って刃を横に向けた。腰の位置が低い。
いつものスカートではなく、内番着の短いズボンからすらりと伸びた足にぐっと力が籠る様は、まるで肉食動物が獲物を狙うタイミングを計っているときのよう。
呼吸が止まったら負ける、必死で大きく息を吐き、吸う。

床を蹴る。
高く飛び上がるのではなく、まっすぐ前に突き刺さるような。まるで弾丸だ。
上に構えていた刀を振り下ろし、そのまま左に弾くように乱の刃を狙う。
真剣でもないのにガン、と低く大きな音がして、周りにいた数人から溜息が漏れたのが聞こえた。

乱の勢いは殺せたけれど、弾き飛ばすことはできていない。この間合いの近さは、僕には不利でしかない。

「やるじゃん、あるじさん!」
「必死なんです!」

もう息が上がっている僕とは違って、笑顔を見せる余裕がある乱。
幾度か打ち合いをした後にすっと後ろに飛んで下がった。今度は高い位置から刃を振りかざしてくる。
刃はぶつかっているのに、軽やかに衝撃を受けぬようにすばやく動く乱に、目がついていけない。

ふらりと足がよろめいて思わず右足を大きく出したら、乱がそこに飛んできて僕の足に躓いた。

「あっ!」
「乱!うわ、わ、わっ!!!」

倒れる、と思って手を伸ばしたら、乱も僕の手を取った。そこまでは良かったのだけれど、そもそもふらついていた僕の足では支えきれなくて、乱と一緒に倒れ込んでしまった。
固い木の床にたたきつけられる痛みを想像して、ぎゅっと目をつぶる。

「大丈夫か!!」

陸奥守の焦った声が遠くから聞こえる。
想像していた痛みが、ない。

目を開けたら、乱が僕をしっかりと抱えて床に倒れていて、まとめていた髪がほどけて紐と一緒に床に散らばっている。
乱の目は、閉じてて。

「乱、乱!?」

慌てて下りようとしたのに、乱の腕が巻き付いて離れない。無性に泣きたくなってもがいたら、乱の肩がくつくつと揺れた。

「ふふ、ごめん、大丈夫。あるじさん怪我してない?」

僕を抱えたままむくりと上半身を起こす。身長差はそんなにないはずなのに、勝気な笑みで見下ろしてくる乱に、心臓が跳ねた。
そこですっと黒い影が乱にかかって、何かと思って見上げたら駆けつけてくれた陸奥守が僕らを見下ろしていた。

「おんしら、大事ないか!?」
「ボクは平気。あるじさんは?痛いところない?」
「な、ない」
「はぁー、焦ったちや。大事になりよったらどうしようかと思うたぞ」

ほぅ、と皆が一息つく。そこでようやく自分の眼鏡がかかっていないことに気が付いた。

「眼鏡、眼鏡どこ?」
「あ、これかな」

少し遠くに飛んでしまっていたらしいそれを、乱が身体を伸ばして取ってくれた。

「はい、どーぞ」
「ありがとう、ございます」

うん、かけ心地も変わってない。大丈夫。ぐっと押し上げて前を見たら、乱が笑顔で僕の顔を覗き込んでいた。
でもそれはいつもの可愛い笑顔ではなく、巧妙に隠してきた漢の香りが強くて、くらくらする。

「なぁに、どうしたの?」
「なん、でもない、です」

まだ乱の上に乗っかったままだった、下りなきゃ。

「ごめんなさい、助けてくれてありがとう、ござ、ぅわっ」

そろりと乱から視線を外して足を浮かせたら、僕を抱えていた腕が離れるのではなく、また巻き付いた。

「ボクのこと、意識してくれてるの?」

耳元でぼそりと呟かれたその声で、顔に熱が集まってくる。

「なんてねっ」

僕をすっと下ろした直後の乱は、ふわりといつもの可愛い笑顔を見せた。

「じゃ次、秋田、ボクとやろ!」
「はいっ!」

そう言ってくるりと振り返った乱が、獲物を狙う鋭い視線で周りを睨みつけていたことを、僕は知らない。
陸奥守だけがそれを知っていて、乱に牽制する視線を送っていたことも、僕は知らない。

跳ね続ける心臓と、熱すぎる顔を冷ますのに必死で。

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