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Comet

短編小説
アクション・バトル
オリジナル
2017年06月11日 14:41 公開
1ページ(5462文字)
完結 | しおり数 0


sirataki

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ある日ある星に、無数の彗星のカケラが落ちてきた…。

ドーン!
「うわ!なんだ?!」
少年はすさまじい轟音と激しい大地の揺れで目を覚ました。
「何が起きたんだ?」
急いで上着を来て外に出ると、近くの畑に、何か光り輝くものが落ちていた。
「な、なんだあれ?」
走って近づくと、畑は隕石が落ちてきたかのようにえぐられていた。
「うわ!すげえ。降ってきたのか?………。あの光ってるのはなんだ?」
少年は何か光っているものを見に行った。
「な、なんだ…これ….?」
それは、短剣だった。うっすらと、しかし力強く光る短剣には、美しい彫刻が施されていた。
「すげえ...!」
少年は、短剣のあまりの美しさに、吸い込まれるように手を伸ばした。
しかし、手が短剣の柄に触れた瞬間だった。
キュインッ!
「わっ!」
バシュン!
短剣が少年の方へ飛び、ペンダントへと形を変えて、少年の首に収まった。
「な、何だこれ!」
必死にはずそうともがいたが、どんなに力を込めても、外せなかった。
「はぁ、はぁ、くそっ!」
少年は仕方なく家に帰った。

「しっかし何なんだこれ?」
少年が居間でペンダントを眺めていると、隣の部屋から老人が出てきた。
「どうした。こんな遅い時間に。ん?なんじゃそれ?」
「あっ。じいちゃん。実は、かくかくしかじかで。」
「ほー。本当か?ちょっと見せてみろ。」
と言うと、ペンダントをぐいぐい引っ張ってきた。
「痛え!痛えよ!」
「お!本当に取れんわ!」
「なにすんだよ!乱暴だなぁ。」
「じゃあ、さっきの話も本当か?不思議なこともあるもんだ。」
「まあね。これ、どうやって取ろう?」
「まあ、今のところたいして邪魔でもないだろう。今日はもう寝て、明日考えなさい。」
「ん。わかった。」
少年は二階の寝室へ行き、ベッドに入った。そのときだった。
『まさか壊そうとなんかしないよな?』
「は?」
少年は飛び起きて辺りを見回した。確かにどこかから声がしたのだが、それらしきものは無い。
「だ、誰か居んのか!出て来い!」
『ここだよ。』
「うわ!どこだ!」
『ここだよ!ペンダントを見ろ!』
ペンダントをつかんで見てみると、正面に付いた黒い宝石の中に、少年と同じくらいの
年頃の男がいた。
「うわ!」
『ずっとここにいたよ。』
「な、なんだお前…?!」
『このペンダント...っていうか短剣の守護聖霊だ。名前はグラディウス。お前は?』
「お、俺はコポル。農民だよ。」
『ふーん。』
「お前...なんなんだ?」
『だから、あの短剣の守護聖霊だって。』
「それは分かったよ。んー...じゃあ、どこから来たんだ?」
『ああ...。俺は...っていうか俺らは、もともと神様について働いてたんだけど、なんか
いざこざがあって、喧嘩になっちゃって。そしたら神様が「喧嘩するなら外でしなさい!」って。そんでちょうど今日彗星と彗星がぶつかって、その塵がこの星に落ちるから、って。神様が塵の一つ一つを彫って武器にして、俺ら閉じ込められちゃって。人間に憑かなきゃいけなくなって。喧嘩終わるまで元に戻れないんだよ。』
「へー。」
『だから、一緒に戦おっか。』
「は?」
『一緒に戦おっか。』
「え、嫌だけど。」
『んーと...。』
ギチギチギチ......!
「痛たたたたたた!首!首絞まってる!」
『一緒に戦おっか?』 少し緩んだ。
「いや、それは嫌だよ。痛たたたた!わ...わか.......た.........。ゲホッ!ゲホ!ゴホ!」
『わーい。ありがとー。』
「な、なんて奴だ...!」
すると一階から、じいちゃんの声が聞こえてきた。
「なに一人でわめいとるんじゃ。うるさいわ。」
「あ、ごめん。って、え?一人?」
『あ、ごめん。俺の声お前にしか聞こえない。』
「遅ぇーよ!」
「うるさいわ!!」
「ごめんなさーい。」


翌朝。
「おーいコポル。じいさんちょっと街行ってくるからな。」
階下から声が聞こえた。
「んー…。ふぁ~。」
バタンッ。
『じいさん、行ったか?』
「んー。行ったんじゃね?」
『じゃあ遠慮なくおしゃべりできるな。昨日言った喧嘩の事だけど、相手によるが恐らく
お前を殺しにくる。お前はどうする?』
「ん?聞こえなかった。ころ...なんて?」
『だから、相手はお前を殺しにくるけど、お前も殺すかって。』
「一回目で聞こえとったわバカヤローー!嫌に決まってんだろ!!相手は殺しにくるのか?」
『ああ。でもまあ、大丈夫だよ。俺、強いし。』
「どれくらい?」
『んー...。喧嘩中の奴らの中で10~20番目くらい?』
「弱いじゃん!!」
『なっ!俺の下にまだ5人はいるっつーの!』
「下から数えた方が早いじゃん!!」
『まあまあ。まず聞け。俺が短剣に戻ればちゃんと戦える。条件は三つ。』
「なんだ。」
『まず一つ目。このペンダントにお前の血を付ける。』
「ええー...。嫌。」
『うるせえ。そうするとペンダントの裏側からお前の心臓に向かって針が伸びる。結構太いからな。痛いぞ。心臓に刺さるまで我慢するのが二つ目。』
「戦う前に死ぬわ!!」
『安心しろ。心臓に針が刺さったら痛みは引いてく。最後に。俺の名前を呼べ。そうすれば、ペンダントが短剣に変わる。針は刺さったままだけどな。短剣はお前の意思でペンダントに戻せる。ペンダントに戻せば針も消える。』
「うーん...。痛く無くなるなら死ぬよかいいか?ん?その三つクリアしても短剣が出てくるだけ?」
『いや、お前の身体能力に俺の分が上乗せされる。あ、あと短剣は相手のこと斬れないから。殴ったり蹴ったりしろよ?』
「えぇー...。俺、人殴ったことないかも...。ちなみに他の奴はどんな感じなの?」
『んー...。みんな自分の能力隠すからな...。俺が知ってるやつだと透明になったりむちゃくちゃ怪力になったりかなぁ。』
「断然そっちのが強ぇじゃん!絶対殺される!」
『お、俺のが強いし!俺のが強いし!』
「ちなみにそいつらの発動条件は?」
『透明な奴は一回転して名前呼ぶ...で、怪力の奴は地面に手つけて名前呼ぶ...とかだった気がする。』
「めちゃめちゃ楽じゃん!ノーリスクハイリターンじゃん!」
『俺はあいつらよりリターン多いぞ?!』
「どこがだよーー!!死にたくないよーー!」
『じゃあお前には特別に、仲間にも話してないような俺の秘技教えてやるよ!!』
「どんなの?」
『これ使えば三倍ぐらい強くなる。』
「マジで?!そんなのがあるなら先に言えよ~。」
『俺の立場が危うくなるから軽くは言えないんだって!じゃあ、言うぞ。』
「おう。」 ごくりっ。
『俺...実は…』
ドンドンドンドン!!
グラディウスの話を遮るようにして、誰かが家の戸を激しく叩いた。
『タイミング...!!』
「ここにいるのはわかっているぞ!出てこい!小僧!」
「誰だ?ここらの人じゃないぞ?」
『俺らの仲間の誰かだな...。何か感じる...。あっ、俺の新しい能力かも。』
「喧嘩売りに来たのか...。まだ叩いてるぞ...。なんでここがわかったんだ?」
『わからない...。出てってみるか。反対側から出ろよ。』
「くそっ!」
コポルは階下へ下り、戸の反対側の窓から恐る恐る出た。すると、戸を叩いていた音が
消え、代わりにこちらに向かってくる足音と、なにかを引きずる音が聞こえた。
『むこうも俺を感じ取ってるらしい。畜生...!俺の能力じゃなかった...!!とにかく、準備しとけよ。ここで戦る気らしい。』
コポルは、戦ったときに家が壊れないように、家から少し離れた場所まで走っていき、
振り返って相手を待った。
すると、コポルと同じような緑色の宝石がはまったペンダントをした一人の大男が、何かを引きずりながら現れた。
引きずられていたのは、じいちゃんだった。
「じいちゃん!!」
『………!お前か!』
「こいつに全部聞いたぞ。昨日、お前も何か拾ったらしいな。それをよこせばお前は生かしといてやるよ。」
そう言うと大男は、おじいちゃんをコポルの方へ投げた。
「じいちゃん!!」
コポルは急いでおじいちゃんに駆け寄ったが、おじいちゃんの心臓は、動いていなかった。
「うわーーーー!」
『...。くそっ!』
「殺す!!」
そう言うとコポルは、男に向かって走り出した。
『待てコポル!俺を使え!!そいつはさっき話した怪力だ!!生身じゃ敵わんぞ!』
「おらーー!!」
コポルはグラディウスの言葉を無視し、走った。
そのとき、男が地面に手を付けて叫んだ。
「ガリウス!」
男の首の辺りが光り、その光が手のほうに移動し、消えた。
男は奇妙なグローブをはめていた。コポルは構わず、男に殴りかかった。
どんっ!
コポルの体が吹っ飛ばされた。
「がはっ!!」
コポルは、血を吐いた。
『俺を使え!!』
グラディウスの声が、やっとコポルに届いた。コポルは自分の吐いた血をペンダントに
こすりつけた。すると...
ドスッ!
「ぐああーー!!」
コポルの体に針が刺さった。そのとき、男の手袋が喋った。
『まずい!武器に変わる気だ!その前に殺せ!!』
「わ、わかった!」
すると男は、コポルの体を蹴りまくった。
ドスッ!ドスッ!
「うぅー...!!」
二つの痛みにもがくコポルだったが、その目は、しっかりと男を捉えていた。
「...!なんだこいつ!!」
男は一瞬たじろいだが、すぐ我に返り、コポルにとどめを刺そうと大きな足を振り上げた。そのときだった。
コポルは胸の痛みが引いていくのを感じた。今だ。
「グラディウス!」
『っしゃあーー!』
キュインッ!
ペンダントが首から離れ、何かが手に握られるのを感じた。
ずしんっ!
男は足を思い切り下ろし、コポルを踏みつけた...はずだった。
男の足の下には何もなかった。踏みつけた衝撃で、辺りには土煙が舞い上がっていた。
「...!ど、どこ行きやがった!出て来い!!」
すると、
バシィッ!
「がっ...!」
不意に、男の横っ面に強烈な蹴りがはいった。
「くそっ!」
ブンッ!
ボグゥ!
必死に反撃した男だったが、軽くかわされ腹にカウンターを食らった。
「がはっ!」
あまりのダメージに、男は膝をついた。辺りの土煙が晴れ、目の前に立つ
コポルの姿が見えた。
「これで仕舞いだ。」
ゴツンッ!
「が...!」
コポルは男の頭を思い切り殴った。男は気絶した。


『よくやった。』
「ああ...。」
二人が家に戻ろうとした。そのときだった。
ガバッ!
男が立ち上がり、コポルの方へ突進した。
『ははは!守護聖霊は一芸だけじゃ務まんねえんだよ!俺の治癒能力は誰にも話して
ねぇ奥の手だ!!』
手袋が叫んだ。
ブンッ!
男が拳を繰り出した。
「くっ!」
バシッ!
コポルは顔にカウンターを食らわせ、男は倒れたが、今度は一瞬で起き上がった。
『意味ねえよ!治癒って言ったろ!これで俺に負けはねえ!!』
『コポル。あいつから距離をとれ。』
グラディウスが言った。
「なんで?」
『いいから。』
ダンッ!
コポルは男から距離をとった。
「それで、なにするんだ?」
『さっき言いかけてたやつさ。』


相手にはその会話は聞こえていなかった。
『おいおいグラディウスさんよ!なに逃げてんだ?!俺に負けるのがそんなに怖いか!
安心しろ!お前の敗因は能力の低さだ!お前に非は無いぞ!!はっはっはっはっ!』
男は凄い勢いでコポルに向かっていった。しかしそのとき、コポルの様子が変わった。
何か唱えている。短剣の淵の色が、白から黒へと変わっていった。
「...!」
『お、お前...!何だその剣は...!そのオーラは!!聞いてねえ...!聞いてねえぞ!!』
敵は逃げ出した。
『急げ!早くあいつから離れろ!!あいつは…』ズバッ!
敵は台詞を最後まで言う前に、黒い影に真っ二つにされた。
『お前の言う通りだよ。守護聖霊は一芸だけじゃ務まらない。お前の敗因は能力の低さだ。』
「...。」
『神様に仕えてはいたが、俺は悪魔だ。』
そこには黒い翼に鋭い牙、禍々しい大きな角の生えた、コポルが立っていた。
キュイン!
短剣がペンダントに戻り、コポルの胸に収まった。コポルの姿も、ペンダントに吸い込まれるように元に戻った。

その後コポルは、おじいちゃんと男の墓を作り、墓前に花を供えて祈った。

沈んでゆく夕日を眺めながら、コポルが言った。
「なあ、グラディウス。」
『ん?』
「この喧嘩っていつになったら終わるんだ?」
『...。神様は、生き残りが三人になったら戻してあげる...って、言ってた。』
「...。守護聖霊は、全員で何人いるんだ?」
『30人近くだ...。』
「...。」
コポルの頬を、涙が伝った。
『...。』
コポルは袖で頬を拭った。
「じゃあ、俺とお前で終わらせよう。」
コポルは、しっかりとした口調で言った。
『コポル...。』
「俺たちはもう、人を殺してしまった。誰かが血で手を汚さなくちゃいけないんだ。俺たちがやろう。こんな思いをするのは、俺たちだけでいい。俺たちが殺ろう。」
コポルの目は、乾いていた。
『ああ...。わかった。』

太陽が沈んで、夜が訪れた。




                 完

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