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お題『①最後にこの恋文を君に/②一緒に帰ろう/③すべての記憶を消して』

短編小説
ファンタジー
BL オリジナル
2017年09月11日 18:00 公開
1ページ(2847文字)
完結 | しおり数 0

BLでちょっとSFというかファンタジー入ってます

りもねぇ

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不思議な小学生に会う話し。

Twitterでのお題で手慣らし的な、ヤツ。
直ぐに読める3000文字無い掌編です。

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「お兄さん、そこ危ないよ?」
 後ろから、可愛らしい声が掛けられた。振り向くとランドセルを背負った知らない子供。
「お兄さんは大きいから大丈夫なの。ほれ、ガキンチョは早く学校へ行きな」
 シッシッと手を振り去れと告げる。しかしその子はまだこちらをじっと見てる。
「大きいって言っても、まだ高校生だろ?子供じゃん」

 しつこくそばを離れない子が言う。なんだ、この生意気なのは。

「うっせ!お前ほどガキじゃねぇってことだよ」
「ふ~ん、この前、ママがここで人が落っこった。って言ってたから」
「わかってるよ、うるせぇな」

 その落っこちたのは、オレというか、オヤジの知り合い。まあ、大した知り合いでもなかったが、直前に会っていたのがオレだった。自殺するようなヤツでもないし単なる事故。ただ、ちょっとオレの大事な写真をその時にここから落とされたんだ。だから、どこかに無いか?と思って橋の下を覗いていたわけだ。

「何か落とし物?でも危ないから……」
「うるせぇって。もう、いいよ!」

 ちょっと前まで警察がウロウロしてるし、オレも事情聴取とかされてたしで、やっと落ち着いて落とし物を探せると思ってたのに、今度は変なガキが鬱陶しい。まあ、ざっと見た感じ、なさそうだ。そろそろ学校の時間も迫っていたので、その場を離れた。


授業が終わって門を出る。友人達に遊びに誘われたが、朝探していた落とし物が気になり、もう1回だけ見てみようとそこへ向かった。

「げ!」
「やっぱり」

 あの橋に来ると、朝の生意気なガキンチョがいた。

「危ないって言ってんのにぃ」
「お前こそ、こんなところで何ヤッてんだよ。お家帰ってディーエスとかやんなくていいのかよ?カーチャンが心配すっぞ?」

 ガキを見ずにちょっと橋の下を覗き込む。まあ、何日も経ってるし、無いよなぁ。あっても汚くて見れないだろうし。諦めるか。そう思いつつも川を眺める。

「ねぇ。……一緒に、帰る?」
「うっせい。何だよ迷子か?」
「ううん、一人で帰れる」
「じゃあ、一人で帰れ」
「うん、そうだね。……一緒には帰れないよね」
「何いってんだか」

「……ねぇ」
「んだよ?」
 まだいたのか。と思いながらも、やはりそちらを見ずに返事をする。
「あのさ、もっと川下の、コンビニの向かいを見てみて。ちょっと大きな木があるトコ」
「はぁ?」
 何を言ってんだ?と振り向くと、もうその子供はいなかった。

 その日はそのまま帰った。そんな子供の言葉なんていい加減なもん信じられねぇし、信じて行ってみるのも馬鹿らしい。騙されるのはかっこ悪い。


 しばらく、そんなガキンチョの事は信じてなかったが、落とした物の事は忘れたことはなかった。

 ある日、ふとあのガキンチョの言葉が気になり、恥ずかしいので周りに誰もいないことを確認してから、あの橋よりも川下の、コンビニの前を目指した。コンビニ近くなると、川沿い並木の中に一際大きいクヌギの木があった。なんで忘れていたんだろう。「絶対、大人がカブトムシ取る子供の為に、一本だけ植えたんだ」と言い張っていたヤツがいた。その木だ。

大きな木を見ても、特に変わったことはない。そこから川の方へ覗いてみたが、やはり特に何もない。

「くそ」
 分かっていたが、オレが困っているのをみて面白がったんだろう。子供のいい加減な悪戯だ。再度、木をぐるりと周り、足がこつん。と何かにぶつかった。石が出っ張っていたんだろう。と思ったら、何か光った。透明な瓶が埋まっているらしい。

「んだよ、これ」

 近くの木を拾い、掘り始める。ガラスの瓶だ。少し大きい。ただ、思ったよりも土が固くなく、容易に掘り起こせた。ガラス瓶の中に、紙が入っている。

 取り出すと、封筒だった。なんだこれ。あれか、タイムカプセルとかいうやつ。俺は埋めてないから、誰か知らないやつのを見てしまっても良いんだろうか?あのガキンチョの知り合いか?


 少々疑問に思うも、好奇心には勝てず、便箋を開けて声を無くした。


 写真を探している君へ
 誰かの悪戯だと思ってくれ。
 君はさぞ、驚くだろう。
 ただ、僕はあまりにも
 違反を繰り返し過ぎた。
 だから、罰を受ける。
 全ての記憶を消して、
 やり直すらしい。
 馬鹿なことだ。
 やり直しても、
 やはり僕は違反を繰り返すだろう。
 記憶がなくても。
 君は子供の僕に会ったんだろうか?
 それとも同い年か?
 分からないけど、
 君の記憶の中の僕とは違う姿だろうな。
 何を言っているか、分からなくていい。
 ただ、君が大事にしていると思うので、
 同封します。
 せめて、写真だけでもそばに
 僕の記憶として
 最後にこの恋文を君に

 ここで手紙は終わっており、写真が同封されていた。俺が先日無くしたものと同じ人物が写っており、俺が持っていたものよりも綺麗だった。

「な、なんで……」
 思わずつぶやいたが、答えは誰からもない。自分の中にもない。この手紙は、何を言っているのか、さっぱり分からない。ただ、俺が探していたのは、この写真だった。

 ふと、先日の子供を思い出す。確かに、彼に似ていなかったか?いや、写真に写っているのは、俺と同い年の男だ。中学の卒業と同時に、いきなり会えなくなった。幼かった俺達は、相手の事情も分からずのめり込み、自分と相手に夢中で、周囲を気にすることも出来なかった。そして、突然、引き離された。親や友人、先生にも聞いたが誰も行き先を知らなかった。

 いつか会える。そう信じて持ち歩いていた、唯一の写真だった。

 あのガキンチョは、言わなかったか?
「一緒に帰ろう」
 と……。
 涙が溢れてくる。

 あいつは、秘密だよ。と教えてくれた事がある。「ぼくは君を助けるために、未来から来たんだ」と、笑って冗談を言っていた。

 君はどうしてそう、おっちょこちょいなんだよ。車には轢かれそうになるし、バス事故には巻き込まれそうになるし、橋からは落ちそうになるし。

 前に、車に轢かれそうになり、彼に助けてもらったんだ。その後、旅行を計画していて、直前で彼が違うバスにしようと言い出したら、そのバスが高速で事故を起こしていた。乗らなくて良かった。と話していた時だ。

 橋からなんて落ちそうになんてなってないだろ?というと、まだね。と言って笑っていた。まだって何だよ!と同じく笑い飛ばしてた。

 意味が分からないよ。罰?記憶を消す?誰の悪戯だよ、これは。なんなんだよ、これは。

 あとからあとから涙が溢れてくる。

 本当に意味がわからない。何がホントで何が嘘なんだか。あいつは誰なんだよ。何処へ行ったんだよ!

 分かんない。何故、俺が泣いているのかも、分からないんだ。

 ただ、もう一度、君に会いたい

 君の写真を手に



 終わり



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