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何かを聞く彼女

短編小説
ホラー
オリジナル
2017年12月10日 13:46 公開
1ページ(744文字)
完結 | しおり数 0


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彼女はよく何かを聞いている。
グレーのパーカーの左ポケットから、くるくると巻かれた赤色のイヤホンを取り出しては耳に入れている。
時折楽しそうに微笑んでいたり、リズムを取っていたりしていたから、きっと何かを聞いているのだと思っていた。
実際、彼女に何を聞いているのか訊けば、彼女は決まって「知らないと思うよ」と前置いて、何かしらのタイトルのようなものや、グループ名のようなものを答えてくれるのだ。
勿論、というか何と言うか、そのタイトルにも名前にも心当たりはなかった。
なので余程マイナーな、もしかしたらインディーズなんかを聞いているのだろう、と勝手に思っていた。
それがついさっき。彼女がパーカーを椅子の背に掛けたまま、イヤホンを机に置いたまま、席を外してしまったのだ。
そういえばタイトルや名前は教えてくれるが一度も「聞いてみる?」とは言われたことがない。
好奇心で手を伸ばし、イヤホンを右耳にはめた。
しかし何の音もしない。
機器の電源を切っているのだ、と思い当たり、パーカーのポケットに手を突っ込んだ。
「……え?」
恐る恐るイヤホンを引く。
するすると出て来たイヤホン、その端。金色の端子が見えた。
何も刺さっていない。そんな筈はない。
だってここにいた彼女はいつものようにイヤホンをして組んだ足を揺らしてリズムを取っていたのに。
イヤホンを機器から抜く素振りも何もなくただ耳からイヤホンを外して行ったのに。
例え抜いていたとしても機器がポケットの中にはあるはずだ。だけどそこには何もない。
彼女は何を聞いているんだ?
一体何を聞いていたんだ?
「……良い曲でしょう?」
いつの間にか戻ってきていた彼女。
その表情は見たことがないくらいに幸せそうな笑顔だった。





終.

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