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水槽

短編小説
ホラー
オリジナル
2018年01月07日 01:10 公開
1ページ(769文字)
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水槽の中には何もいない。少し背の高い水草がゆらゆらとしているだけ。
けれどそこには何かがいる。何かが棲んでいる。
元々、ベタを飼っていた。赤い大きなヒレのベタを。けれどそれが死に、次の魚を飼う気にならずそのまま水草だけが揺れていた。
何もいない水槽。空っぽの水槽。けれど時折、何かが横切る。
真っ直ぐ見てもそれは見えない。視線を外し、視界の端に水槽を置いて、何か別の事をしていると不意に何かが水槽の中を泳ぐのだ。
あまりに不思議で、気味が悪くて、一度水槽を洗った。水を抜いて砂を出して、何の生物もいない事を確認した。
水を抜いておこうかとも思ったが、水草を捨てるのが何だか勿体なくて、また水を張って部屋に戻した。もう何もいないだろうからいいかとも思って。
けれど、やはり何かがいる。前述したように視界の端に水槽を置くと、ふとした拍子に水槽の中をすっと何かが泳ぐのだ。
空っぽの世界を泳ぐ何か。それは一体何なのだろう。少なくとも生きているものではないはずだ。ならばもしかしたらベタの幽霊なのだろうか?魚の幽霊なんて聞いたこともないが。
ある朝、思うところがあって餌をひとつまみ入れてみた。もしも幽霊ならそれは無くならないだろうし、もしも生物なら餌は無くなるはずだ。果たしてどうなるのだろう。







帰宅すると、水槽は空っぽだった。水も砂も水草も、全て無くなっていた。あるのは本当に空っぽの水槽だけ。
泥棒か何かかと思ったが、他に無くなった物は無い。
水槽の中身だけを盗って行く泥棒なんているのか?いないだろう。それに玄関の鍵も窓の鍵もきちんとかかっていたし。
結局、何がいたのか、どうして全て無くなったのか。その答えは未だに分からない。
ただ一つだけ分かるのは、もう水槽の中には何もいない、ということだけだった。






終.

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