メクる

累計 18029106 スキ
BL・アダルトの
切り替えはこちら

「サンジョルディの日」 1ページ同好会のお題

短編小説
青春・友情
オリジナル
2018年04月15日 08:51 公開
1ページ(2063文字)
完結 | しおり数 0

春の三部作終わり

ふしきの

  • 閲覧数

    130

    1843位

  • 評価数

    0

    1828位

  • マイリスト

    0

    1553位

無知からはなにも生まれない。興味深ければ稀有に思われようとも続けたら良い。飽きたら次に進めばいい。そして気になったらはじめなおしてもいい。
それがサンジョルディの日と思っています。
ま、お前好きやろこの本ってので、当たったことが現在数えるほどしかないので本を選ぶのは特に難しい行為ではあります。

また物語がつづけばいいな

名前候補  大酉院ヒカエリ 苗字が仰々しい 母親の再婚が多かったため苗字が書けなくて(思い出せなくて)赤点
      泉ひかる 泉りょこ 林でもいい
フォント
文字:--%
行間:--%
妹と清夜が二人して、トムとジェリーを見ている。
「イースターおめでとう!」と、箱から出たひよこが何度も何度も「さよなら」を言ってトムに食べてもらおうとしているところだ。溢れるトムの涙と同時に二人も鼻を鳴らしながら泣いていた。

僕はといえば、ゆで卵の似顔絵に苦笑しながら朝御飯を食べているところだった。
ゆで卵に似顔絵は年中行事だったし。
緑子もそれを知っているはず。
僕はふと、「復活祭、いや、イースターはもう終わったけどな。やっぱり初期のトムとジェリーはたまに泣かせるところがあるのが憎いよね」なんて呟いたが最後、二人の目が凝視して
「え!終わったの!」
って。
「花祭りもな」

ああ、そうか、メディアに踊らされているのは僕だけなんだと些か恥じる結果になった。
行事好きな学生生活を送らされる緑子に対して、一応その手のものにも詳しくないといけないだろうと思われる職種の馬鹿はこのまま馬鹿を続けさせて良いのだろうかと心配になるところだった。いや、僕がなんで心配せねばならんのか!と、自分を律した。


残業時間の遅く、厄介な電話がかかってきた。
僕は電話口のその人に向かって冷静に言い放つ。
「貴方がいかなる立場の方だろうと構いませんよ。私の方もあいつに対しては厄介そのものです。……ですが、貴方がそうおっしゃるのであれば私の方も引くわけには行きません。何せ、あいつには私からの借金をまだ返済していないのでね。私は彼を保護し監視し、飼い慣らしますよ。ええ、もし所在不明の立場になったときには今回より貴方も被疑者対象に入れることにします。ええ、もちろん。貴方がおっしゃる通り、私には微弱な力しか持ち合わせてはいません。私ができることといえば、そうですね。貴方が昨日受け取ったクリーニング店のタグを外さないでシャツを着ていることや、数分前に立ち寄った交差点のコンビニでSサイズの珈琲を買ってMサイズのボタンを押したとかね、些細な事を逐次知り得るのみです。ですが…私が動き、行使するときは最大限の力をもっていたしますので、その時は……遊んでください、こう見えてもゲームは得意なほうですので。では失礼いたします」
煩い電話口の声も切ってしまえば交通渋滞の排気音ばかり。
「光くん怖い目してるぅ」と、休憩に上がった後輩に言われた。「資料請求ぐらい私たちにも回してくださいよ」
「ごめん、私用のやつだから」


「うふふ、あたらしいパスモ」
僕は昨日貸してやった電車入場券代を領収書と一緒に貰った。
「ねぇ、なんでモバイルに」と言おうとした緑子さえはっ、となって「ごめん、清ちゃん」と言い直した。清夜はこの年になってもカード決済が止められている。
さらに、清夜はすぐに物をなくす。なくすのか盗まれるのかよくわかってないほどだ。
今はやっとマネージャーがつくようになった。事務所付きではなく個人付きのお守りだ。それも昨日からだ。昨日から探し物にてんてこまいで最終的に僕の名前をやっと聞き出して「家にご挨拶はご迷惑で行けないので近くの駅で待ちます」というのを「では、駅構内に行かせます。記録用に切符を発券させますのでそちらもご心配なく駅構内一番線沿いでお待ちください」と遮る。
「いやいやお手厳しい」とまで言われた。

「サンジョルディの日!」
清夜が、赤い薔薇を僕と緑子に一輪づつ配る。
「パーパとマームにもねー」
歌いながら配り歩く。
母は笑いながら受けとりその花をもって嬉しそうに寝室に行ってしまった。母の部屋には祭壇がある。位牌もない祭壇に一輪の赤い薔薇が挿された。肉厚の薔薇は柔らかく香るだろう。

「はい、サンジョルディの日」
「私も!」
僕に似た大きな紙袋を緑子も出してきた。
妹と同じと知ったのは、妹は表書きがそのままの大学検定試験と書いてあるものだった。
「ねー、ねー本の日だよね。入学、編入学パンフレットなの⁉しかも丸ついてて、付箋まで。えー、高校出ったのにまた行くのぉぉ」
「うっさいなぁ。ほら、特別に参考書つけてやる、お古だけど。ありがたくありがとうって、言え。特に緑子に!」
僕は妹と被ったこととかがちょっとだけ恥ずかしかった。なのにこの馬鹿はすっごく嬉しそうに泣いて笑っているのだ。
「ひかる、緑子。ありがとうね。……でも、高校行ったのにぃぃ」
「うるせぇ、中退。単位が足りなくて卒業できなかったことを卒業式に言われた身になってみろ。うすらとんかち」
「清ちゃん。清ちゃん、一緒に卒業しようね!」
緑子の目はキラキラしていた。
多分こいつが一番感が鋭いんじゃないかと、僕はひそかに思ったくらいだった。
変な顔の清夜はしばらく考えた後で、クシャっと笑いながら、「んー、義務教育って二回出来るの?」という始末。
こいつの笑顔に何度殺されるのだろう。


公開中の映画ですら、題名ロゴが出る前に刺客に倒れる大役なのに。しかも半顔で見切れているし。
でも僕らは家族バラバラでスクリーンでの清夜を見に行ってたりするんだ。

スキを送る

累計 0 / 今日 0


残スキ 300

『スキ機能』とは?
『スキ機能』とは『スキ』ボタンを押すことで作品や作者を応援できる機能です。
※拍手機能に類似した機能です。

[スキ機能のルール]
※1人あたり1日に300回まで『スキ』を送ることができます。
※1作品でも複数作品でも合計が300回まで『スキ』を送ることができます。
※『スキ』は1スキ、『大スキ』は10スキ、加算されます。
※1日に与えられるスキの数は毎朝4時にリセットされます。
※自分の作品にはスキ機能は利用できません。
※『スキ』は匿名で作品に送られます。

スキ!を送りました

作品を評価する

ふしきのさんを

フォローしたユーザーの
作品投稿やつぶやきなどの最新情報を
マイページでチェックできます

マイリストに登録する

この作品につぶやく

#「サンジョルディの日」 1ページ同好会のお題
 

500

みんなのつぶやき 一覧

イメージレスポンス(0) 一覧

この作品へのイメージレスポンスはありません

タグ一覧 編集

この作品にタグはありません

友達に教える

  • ツイートする
  • イイネ
  • なうで紹介
  • はてなブックマーク
  • GoogleOne

この作品を見た人はこんな作品も 一覧

作者の投稿小説(60) 一覧

作品登録マイリスト 一覧

登録された公開マイリストはありません

その他


コーナー R

作品宛みんなのつぶやき

もっと見る

作者の他の作品一覧

一覧を見る

copyright (c) 2013-2018 メクる Co.,Ltd. All rights reserved.