肺より
オリジナル
2018年05月15日 19:40 公開
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必死に言葉にしようと努めたが、
沸々と肺から出てくるのは形を象っただけの空気の玉だった
シャボン玉のように浮遊するしたのち、産まれたばかりの空気玉たちはポッポッと、それも卵の中で生き方を知らない生命がたどたどしく呼吸を真似るように明滅を繰り返した
これほど美しくどこまでも純粋なものが自分が数秒前に吸い込んだ酸素の対価なのだろうか
もとい、これは二酸化炭素のような気体ではない
どこまでも無力で人畜無害な自分の魂そのもので、同時にやがて世界に消されてしまうことを生まれながらにして覚っていた
従順に空気玉はまるで出稼ぎから家族の待つ自宅へ帰る労働者のように、海へ空へ、あるいは花の側の土へ、還っていった
それが、自分にはとても嬉しかったし、初めて自分の内臓に自分の赤い血が漲って気忙しく、だけど楽しそうにダンスのステップを踏みながら動いているのを感じた
最後の空気玉が笑顔で還っていった時、すでに自分は酸素の吸い方が変わっていた
あらゆる世界にまた彼らを送るために
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