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ネオスタンダード

短編小説
文学
オリジナル
2015年05月09日 02:31 公開
1ページ(903文字)
完結 | しおり数 0

元彼からの昔のプレゼントを売る話

なめくぢみみず

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棚を整理していて白い真四角の箱が目に留まった。その箱は埃をかぶっている。半年以上そこに放置されていたものであった。箱の中には指輪が入っている。吉村藍花が半年前に別れた元恋人からもらった物である。返そうと思って忘れていた。返すというのもデリカシーのないことではあるが、元恋人が買ったものだから元恋人が好きに処分するべきだと吉村藍花は思ったのだ。売るなり捨てるなりする権利は本当は彼にあると今でも思っている。

しかし彼女には、元恋人、桐島耕一と今さら連絡を取る気がない。

「どうしようかな」

吉村藍花は独り言を言った。四角い箱をつまみ上げる。

「売るかな」

そう、吉村藍花は呟いた。


桐島耕一は眼鏡を掛けた好青年だった。吉村藍花のことをよく考えてくれていた。何故別れてしまったのか。間違いなく自分のせいだと吉村藍花は思っている。

指輪をもらった時、嬉しいふりをした。本当は重たい奴だと思っていた。ずっとこんな日々が続くことを考えると苦痛だった。

吉村藍花は桐島耕一とのデートの終わりに泣いてしまったことがある。苦痛の時間が過ぎていくことは喜ばしかったがまたこの人と会うのかと考えると憂鬱だった。

いつもそうなのだ。どんな人を好きになっても付き合うとすぐに嫌いになってしまう。

最後にはほとんど一方的に別れを告げた。

桐島耕一は
「不満があるなら言って欲しかった」
と言っていた。

吉村藍花は元恋人に話し合いをするだけの価値すら見出していなかった。


本当に好きだったのだろうか。

吉村藍花は考える。

元恋人の気持ちは本物だっただろう。しかし、自分は?

貴金属を買い取る店へと足を運ぶ。元恋人から指輪がいくらしたか聞いていないが、推定八千円から二万五千円くらいだろう。大学に通いながらアルバイトをして貯めたお金で買ったのだと言っていた。

吉村藍花は指輪を売った。元恋人の気持ちを売ったのだ。

「五百円です」

「あ、思ったより安い」

吉村藍花は指輪を売って店を出た。元恋人が気持ちも今やこのくらいのものになっていることだろう。

そう思うとどこか晴れ晴れとした気分だった。

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