冷たいキスの仕方 / 「もも」の小説 | メクる

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冷たいキスの仕方

短編小説
恋愛
オリジナル
2015年06月15日 17:54 公開
1ページ(1280文字)
完結 | しおり数 0

嫌いよ。そう囁いてキスをするの。

もも

表紙提供:by ck2
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無関心な事よりも残酷な事はありませんよね。
相手の事が好きならそこには愛が。
相手の事が嫌いならそこには嫌悪が。
だけど嫌悪や憎悪も見方を変えれば愛情に変わるんじゃないかなって思ってます。
人ラブ!俺は人間が好きだ!愛してる!って叫べるくらいにはね。



2015.6.15.
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名前を呼ばれる。億劫に感じながらも振り返り、何か用かとはあえて聞かない。面倒だからではない。
彼女がその男を嫌いだからだ。
嫌いで、受け答えをする事すら嫌悪感を抱く程だからだ。




それなのに何故同じ空間にいるのか。
それは聞かない方向でいて貰いたいものだ。
男女が二人きりで、それも殆ど素肌を晒した状態で同じベッドの上にいる。それだけで何となく分かるだろう。
そういう関係なのだ。




何も言わずに、ただ此方を振り向いて睨む様に見つめる彼女を見て、未だシーツに包まれている彼は薄く口元に笑みを浮かべた。
楽しそうに、嬉しそうに。しかし、意地悪な印象も与える笑い方だ。
この笑い方が嫌いなのだと彼女は目を細める。嫌悪感だけが強く、吐き気すら覚えた。




「寒くないの?」

「全然」

「嘘だね。鳥肌立ってる」




本当は寒い癖に、と彼女が嫌いな笑い方で彼が笑む。
今度こそ面倒になって側にある服を掴もうと手を伸ばした。しかし、さっと起き上がった彼がその手首を掴んだ。
彼女が睨み付けようが御構いなし。にこりと笑う彼に彼女の眉が寄った。




「離して」

「嫌だね。俺が寒いんだからこっち来てよ」




そんな勝手な。文句を言う前にシーツの中に引き戻されて、がっちりと捕まえる様に抱き締められた。
体温が低い。それはいつもの事だ。
ただ、この低い体温が時々彼が生きているのかそうじゃないのか戸惑わせて、怖くなる時がある。




「身体冷たいなあ。やっぱり寒かったんだろ」

「うるさい。離せ、馬鹿」

「嫌だね」





露出した肌が触れ合う。
汗ばんでいる訳ではないが、引っ付いているとそこがじんわり熱くなる。遭難した時に温め合うなら裸になるのがいいというのは間違いではないと思う。





離してと繰り返しても彼は離すつもりはない様で、だが、抱き締める以外の事はするつもりはない様子だからまあいいかと彼女は諦めて大人しくなった。
しかし、こうして人肌に触れると、温かくて少し眠たくなる。
うつらうつらと微睡み始めた彼女を見て、彼はふっと笑みを漏らした。




「ねえ、知ってる?」

「…なに」

「好きの反対ってね。嫌いじゃないんだって」





は?と声が漏れる。
突然何だ。好きの反対は嫌いだろう。
少なくとも好きの反対は普通ではないだろうし、微妙でもないだろうが、嫌い以外に当てはまるものがあるのだろうか。




「好きの反対はね。無関心なんだって」





だから俺は君に関心を抱かれてない訳じゃないから嫌われてないって事だ。
なんて、屁理屈もいい所。
はっ、と短く笑って、心底幸せそうな彼に呆れた様な、同情した様な、だけどもっと別の感情の様な、そんな気持ちを抱いた。





「嫌いよ、嫌い。あんたなんて大っ嫌い」




吐いた言葉の真意は彼女にしか分からない。
彼はくすりと笑って身体を少し起き上がらせた。近付けた顔を叩かれる事はなかった。





……俺も好きだよ。










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