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ゆきだるまさん

短編小説
童話・絵本
オリジナル
2015年08月13日 15:01 公開
1ページ(3844文字)
完結 | しおり数 0



深町珠

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むかしむかし。

やまおくの、ふゆのおはなしてす。


さらさらと、こなゆきがまう

たかい、もみのきにも。


やまごやにも。


さらさら、さらさら。






ゆきがやんだ、はれのひには

ふもとのむらから、こどもたちが
そりすべりに、おかのうえまで

のぼってきて、この、もみのきと

やまごやのちかくにも、のぼってきては

そりですべってゆきます。




そりすべりのあいまに


ゆきだるまさんを、もみのきのそばに
こどもたちは、つくりました。






やまごやには、おじいさんと、ちいさなおんなのこがすんでいます。



おんなのこは、ぐあいがわるくて

ずっと、べっどでねています。


それなので、まどごしに

そりすべりの、こどもたちのこえが
きこえると、さびしくなってしまいます。




はやく、げんきになって、ゆきのはらを
かけまわりたい。



そうおもって、まどのしたにみえる
ゆきのはらを、うらやましく
ながめています。





ゆきだるまさんは、まどから
ゆきのはらをながめている、そのこに
きづきます。



「でておいで」
「だめだよ、ぐあいがわるいのだから」
「そうか」



ゆきの、ひとひらたちは
それぞれに、かんがえます。




それで、ゆきがふるごとに
もみのきのところから


ゆきだるまさんは、すこーしづつ

やまごやのほうへ、すべっていきます。



さびしそうにしているそのこを
げんきづけてあげたい。


なにか、できることがあったら。


そういうきもちで、すこしづつ、すこーしづつ。





よる、くらくなって

しんしんとひえるころ。

ゆきだるまさんは、すこーしづつ
すべってゆきます。


もみのきのところは、すこし

やまごやよりたかいので



すべるのは、らくです。



でも、うごいているところを
だれかにみつからないように、と

ゆきだるまさんは、のんびり。





それでも、よふかしの、となかいさんや
しかさん、おこじょさん、たぬきさん。
きつねさんには、みつかってしまったりします。


よるのごあいさつ。




ごきげんよう。





こんばんは。
ゆっくり、ごあいさつしながら

ゆきだるまさんは、もみのきから


いずみのところまで、きました。

いわしみずがわいている、おじいさんの
こしらえた
みずうけのところ。






つぎのあさ、おじいさんはきづきます。






おや、ゆきだるまさんは


だいぶ、うごいたようだね。



にこにこと、しろいおひげで
わらって。





こおりがはっている、みずおけから
おみずをくんで。




けさも、ごはんのしたくです。




やぎこやに、ほしくさをあげて。
やぎたちから、みるくをもらいます。



みるくをのんだり、ちーずをつくったり。
そうして、おじいさんと、おんなのこは
くらしています。






ごはんにしようね。




おじいさんは、おんなのこを
よびます。



きょうは、すこし

ぐあいがいいようです。




ひとりでおきて、やねうらから

はしごを
おりてきました。







おんなのこは、おじいさんにはなします。





ゆきのはらを、かけているゆめをみたの。






おじいさんは、にこにこ。







すぐによくなって、かけまわれるさ。









よくなるかしら。








なるとも。やぎのみるくをのんで、ねていれば。やまが、びょうきをなおしてくれる。









そうね、きっと。










さあ、ごはんにしよう。







おじいさんは、くろぱんをあたためて。

ちーずを、だんろであたためて。




まきのひは、とてもあたたかく
なつかしい、においがします。



こうばしくやけた、くろぱんと
とろけたちーずは、ほんとうにおいしくて


どんな、くすりよりも


からだによさそうでした。







まどのそとをみてごらん、ゆきだるまが
うごいているよ、と


おじいさんはいいました。








ほんと。




おんなのこは、おどろきます。



おおきなゆきだるまさんが、もみのきの
ところから、いずみのところまで
すこしづつ、うごいていました。







ゆきすべりをしたいのかしら?









そうかも、しれないね。
おじいさんはえがおになりました。




それまで、ひとりでくらしていたやまごやでは
えがおになることも、なかったのですが




いまは、えがおになることもあります。




おじいさんも、そのことで
げんきになっているような、やさしいきもちに
なれているような。



そんなきもちです。









そのよる、おんなのこは
ゆめをみました。



ゆきだるまさんが、まどべにきて
おはなしをしてくれたり。

げんきづけてくれたり。



そんなゆめ、でした。









つぎのあさ。



ゆきだるまさんは、やまごやのところまでは
きていませんでした。






やっぱり、ゆめなのかしら?


おんなのこは、おもいました。






きょうは、くもり。



こまかいゆきが、さらさらと

ふってくるような、くもりそらです。





とてもさむいやまです。


こやのなかは、だんろのおかげで
あたたかく、まどべのゆきも
とけてしまいそうです。


それなので、ゆきだるまさんが
やまごやにきたら、とけてしまいそうです。




やっぱり、ゆきだるまさんは
ゆきのなかが、いいのね。


そんなふうに、おんなのこは、おもいます。











ゆきが、どんどんふってきて


いずみも、みずおけも
こおりついてしまいます。


いわしみずも、こおってしまいました。





そのよる、おんなのこは
ねつをだしました。




からだがあつくて、くるしくなります。



おじいさんをよびたくても、こえもでません。





ゆきだるまさんは、ようすをみていて



「どうしよう」
「ひやしてあげよう」



「ぼくらが、ひやしてあげようよ」

ゆきのひとひら、スノゥウィー

が、そういいます。


「そうね、それしかないわ」スノゥフレィクも、そういいます。




「でも、ゆきは、とけてしまうのだよ」と、ねゆきのちょうろうは、しんぱいします。



ゆきは、とけてしまったら、おみずになって。


そらへのぼってしまうのだ、と。





「だいじょうぶ。」と、すのぅは



かぜにのって、おんなのこのそばにゆき

おでこを、ひやしてあげます。









おんなのこは、おでこがすずしいのに
きづきます。




ゆきの、ひとひらさんたちが
おでこにのって、ねつを、さましてくれています。






ありがとう、と
おもいながら。



でも、そんなことをしたら
ゆきの、ひとひらさん、とけてしまうわ?




おみずになってしまうのよ?






すのぅふれいくは、おへんじします。






だいじょうぶ。ほら、おみずになって。
すいじょうきになって。



おそらへ、のぼるのよ。





それから、ゆきぐもさんのなかで



また、ゆきのひとひらになって


まいおりてこれるわ。



すこしのあいだ、おわかれだけど。




そういいながらも、ふれいくは
きらきらしていた、しろいゆきから
とうめいな、おみずになって。



ゆらゆらと、すいじょうきになって


おそらへ、と
のぼってゆきました。






ありがとうーーーー。


おんなのこは、なみだをながします。


なみだも、すいじょうきになって。


ふれいくたちといっしょに、おそらへ
のぼります。




おんなのこは、
ゆきの、ひとひらさんたちの
おかげで


ねつが、さがりました。



ゆきだるまさん、ありがとう。


おんなのこは、まどべから
ゆきだるまさんに、おれい、をいいます。



ゆきだるまさんは、にっこりとわらって




いやいや、ぼくより

ゆきの、ひとひらさんたちの
やさしいきもちがね、とてもうれしいね、ぼくも。



いつか、ぼくも
はるがくれば、とけてしまうけれど。


また、おみずになって。

すいじょうきになって。


いつか、あめになって。


また、ふゆがきたらね。


ゆきの、ひとひらさんたちといっしょに。


おそらから、ひらひら。




するんだよ。




そのころには、おじょうさんも、げんきになってね。


みんなで、あそぼうね。





「はい。ゆきだるまさん、ゆきの、ひとひらさんに
こんどのふゆには、げんきになってあいたいです




おじょうさん、とよばれて


おんなのこは、ちょっとはずかしかったけど。



こんどのふゆが、とてもたのしみになったし

あめのきせつも、ひとひらさんたちが


あめをふらせているのかな、なんて
おもえるようになって。


これからが、たのしみになりました。




いいこと、あるといいな。




おしまい。


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