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ぼくはばけねこ

短編小説
童話・絵本
オリジナル
2015年08月18日 10:25 公開
1ページ(2439文字)
完結 | しおり数 0



おねこ。

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ぼくはねこ。
ただのねこではない……
ばけねこだ。
ばけなうえに「ノラ」なのだ!

ぼくが、「にゃん」と泣けば、にんげんたちは「ゴハン」をくれる。

これ以上に幸せな事はない。

だけど、ぼくは今……
おおきなもんだいにぶちあたってしまったのだ……

ネコのミケは、にゃーにゃー鳴いていました。

人間の太郎君は、わんわん泣いて居ました。

ミケは、太郎君に言いました。

「どうして泣いているんだい?」

だけど、産まれたばかりの太郎君はミケの言葉がわかりません。

ミケは、困ってしまってにゃんにゃん鳴きました。

ミケは、二百年以上生きているものの、人間の子供はおろか、自分の子供を作った事さえありません。

ミケは、お腹が空いたのかと思い、人間の女性に化けました。

すると、太郎君はニッコリ笑う、きゃっきゃきゃっきゃと喜びました。

女性に変身しても、ミルクはありません。
なので、化けネコ仲間で雌ネコのユキにお願いしました。

「ミルクをくれないか?」

「あら、どうして?」

ユキは、クスクス笑いながら尋ねました。
ミケは、事情を話しました。

すると、ユキは「仕方ないはねぇ」と、呟くとミケの後をつけて行きました。

太郎は、また泣いてしまいました。

「お腹が空いているんだと思うんだ……」

と、ミケが言うとユキは、ニッコリ笑い、グラマーな女性に化けました。

「これなら、文句はないでしょう……」

と、ユキは自分のミルクを与えました。

最初はくすぐったかったのですが、慣れて来ると、少しまた少しとミルクは出ていきました。

太郎が、ミルクを大量に飲み満足して、眠ってしまった時……

ユキは、何故だかとても優しい気持ちになりました。

ユキが、女性になっている間。
ミケは、男性の姿になっていました。

ふたりは、その太郎の寝顔を見て、『育てたい』と思うようになりました。

そして、二匹は自分達の隠れ家で太郎を育てる事にしました。

家に着くと、太郎は途端に泣き出してしまいました。

突然泣くので、ミケもユキもびっくりです。

太郎の体を触ったり、もう一度ミルクをあげても泣きやみません。

するとミケは、太郎の下着が濡れている事に気がつきました。

ユキがミケに言いました。

「ここは、私が見ておくから、ミケはオシメの変わりになるものを持って来て……」

ミケは、コクリと頷くと家を出て、オシメを探しました。

どこを探しても……
どこを見てもありませんでした。

「あ~ こうしている間に、あの子は泣いてしまっている……」

そう、焦る気持ちでいっぱいでした。

ミケは、葉っぱをお金に変えて、オシメを買おうか迷いました。

しかし、それは化けネコ会でも禁止されています。

ミケは、悩みました。
そして、思い付いたのです。

「葉っぱをお金にする事が無理なのなら……
はっぱをオシメに変えればいいんだ!」

ミケは、大きめの葉っぱを何枚か取ると、急いで家に戻りました。

家の中では、オシメを外すのに、ユキが悪戦苦闘していました。

そして、ミケがはっぱを昔風のオシメに変えた時、やっとオシメを剥す事に成功しました。

ミケは、ユキにオシメを渡すとこう言いながら、オシメを器用に、着け始めました。

「昔のオシメなら楽勝よ!」

と、ミケにvサインを送りました。

ミケは、照れ隠しに、「餌を取って来る」とユキに言うと、すぐに家を出ていきました。

そして、暫くして、自分とユキと太郎のミルクの分と、集めては戻って来ました。

「おかえりなさい」

ユキが、笑顔で迎えてくれて、太郎が笑顔でミケの首筋を撫でる。

太郎の前では、二人とも太郎が怖がらないように人の形をしていました。
二人は、幸せでした。
ユキは、どんなに太郎が力強くミルクを吸っても痛いはずなのに……
何故か、赤ちゃんの成長が嬉しくて嬉しくて、たまりませんでした。

ミケも、どんなにボロボロになっても、太郎とユキが家で待っていると思うと、ネコには辛い人間の仕事でさえ、進んでやるようになりました。

「ただいま」
「おかえり」
「いただきます」
「ごちそうさま」
「おやすみなさい」

そして、真夜中の夜泣き。
全てが新鮮で、全てが斬新で、全てが楽しかった……

大変な事なはずなのに……
とても、とても……
幸せでした……

しかし、ある日。
ミケ達の家に、警察がやってきました。

ミケ達は、慌ててネコへと姿を変えました。

でも、太郎は泣きませんでした。

太郎は、ネコのままのユキの背中を撫でながらこう言いました。

「まーまーまんま」

だけど、ユキは、ミルクをあげる事ができませんでした。

ばれたら殺される。

自分が殺されたら、この子のミルクをあげる人がいなくなる……

ユキは、流れるミルクを堪えながら、警察が外に出るのを待ちました。

しかし、警察は外に出るどころか……
とうとう、赤ちゃんを見つけてしまいました。

太郎が警官に、抱かれる時、それを拒むかのように、ミケの尻尾を撫でました。

「ぱーぱーだっこー」

何度も何度も太郎は繰り返しました。

太郎が家を出るまで、ずっと、ずっとミケ達の耳に残りました。

ミケは、小さく呟きました。

ぼくはねこ
ただのねこじゃない
ばけねこだ……
ただのばけねこじゃない
のらねこさ……
でも、ねこでしかない……
ぼくはねこ……
ひとにはなれない……

ミケは、太郎が最後に尻尾に触った温もりが消えませんでした。

ユキは、ミケに言いました。

「私たちも子供欲しいね……」

ミケは、コクリと頷きました。


それから、3年後。
ある古い屋敷に、ネコが4匹住んでいて、中に家族が居るはずなのに……
中を覗くとネコしかいない……

そんな噂が、小さな小さな町で、こっそりあるそうです。


おしまい

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